ながらみの酢のもの、つくだ煮

連載日本の食生活全集

2020年06月16日

聞き書 千葉の食事 九十九里海岸の食より

ながらみは塩ゆでにして身を竹串でとり、わたをとって、砂のなくなるまでよく洗う。このまま、しょうが醤油をつけて食べるとしこしことしてうまい。また、きゅうりを塩もみにし、ながらみの身とあわせて三杯酢をかける。さっぱりして夏のおかずに向く。
お茶うけに、塩ゆでしたものを、つまようじでほじくってそのまま食べることもある。子どもは、塩ゆでのながらみをポケットに入れて、遊びながら食べる。
ゆでて身をとり、よく洗い、醤油としょうがを入れて煮て、つくだ煮にもする。漁に出る男たちのめっぱ(一人用のおひつ)に詰めてやる。

写真上:〔左から〕ながらみときゅうりの酢のもの、ながらみのつくだ煮/下:ながらみの塩ゆで、ながらみ

 

出典:高橋在久 他. 日本の食生活全集 12巻『聞き書 千葉の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.45-46

関連書籍詳細

日本の食生活全集12『聞き書 千葉の食事』

高橋在久 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540890024
発行日:1989/06
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

黒潮が打ち寄せる房総半島は日本でも屈指の好漁場。いわし・かつおに代表される海の幸と利根川の魚、台地の作物が食膳にのぼる。太巻ずしはこの地の伝統食。女性が築いた食の営みを記録する。
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