聞き書 千葉の食事 九十九里海岸の食より
ながらみは塩ゆでにして身を竹串でとり、わたをとって、砂のなくなるまでよく洗う。このまま、しょうが醤油をつけて食べるとしこしことしてうまい。また、きゅうりを塩もみにし、ながらみの身とあわせて三杯酢をかける。さっぱりして夏のおかずに向く。
お茶うけに、塩ゆでしたものを、つまようじでほじくってそのまま食べることもある。子どもは、塩ゆでのながらみをポケットに入れて、遊びながら食べる。
ゆでて身をとり、よく洗い、醤油としょうがを入れて煮て、つくだ煮にもする。漁に出る男たちのめっぱ(一人用のおひつ)に詰めてやる。
写真上:〔左から〕ながらみときゅうりの酢のもの、ながらみのつくだ煮/下:ながらみの塩ゆで、ながらみ
出典:高橋在久 他. 日本の食生活全集 12巻『聞き書 千葉の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.45-46