聞き書 福島の食事 石城海岸の食より
夏によくとれるほしざめは煮ても焼いてもまずい魚だが、酢味噌あえにすると、おいしく食べられる。
身は皮を除いてから三枚におろし、刺身のように切っておく。肝は竹串にさして網わたしでさっと焼くが、串が動かないように、また肝が焦げないように火から離すため、串の両側に輪切りにした大根をさす。
焼いた肝をすり鉢に入れてよくすり、味噌、和白(粗製糖)、酢を入れてすり混ぜてから、刺身のように切った身を加えてあえる。
出典:柏村サタ子 他. 日本の食生活全集 7巻『聞き書 福島の食事』. 農山漁村文化協会, 1987, p.299-300