えご羊かん

連載日本の食生活全集

2020年07月28日

聞き書 石川の食事 能登外浦(鵜入)の食より

えごは海水または真水でもみ洗いして、天日乾燥させる。夏の間、この作業を何回もくり返し、たくさん貯蔵しておいて年中利用する。
えごをなべに入れ、ひたひたになるていどに水を加えて煮る。煮たったら、弱火にしてそろそろと煮溶かす。完全に溶けたら小さい折に入れて冷やす。固まると切って、きな粉と砂糖をまぶして食べる。冷たくて口当たりがよいので、夏の間食に最高で、お盆の墓まいり客も、えご羊かんをよばれるのが楽しみである。

 

出典: 守田良子 他. 日本の食生活全集 17巻『聞き書 石川の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.298-298

関連書籍詳細

日本の食生活全集17『聞き書 石川の食事』

守田良子 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540880094
発行日:1988/06
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

四季折々の素材をこまやかな味わいに仕上げる古都・金沢の食、焼畑からの雑穀、山菜、木の実、熊など獣が食卓をにぎわす白山麓の食など「加賀百万石」の地の多彩な食の数々。
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