酢のものや醤油汁であっさり食べる―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2021年06月04日

聞き書 徳島の食事 吉野川北岸の食より

晩――麦飯、そうめん汁、野菜の煮つけ
冬ならばそうめんの味噌汁にするが、夏はあっさりと醤油汁にする。大なべにいりこでだし汁をつくり、醤油で味をつけた色の黒い汁に、ゆでたそうめんと薄切りなすを入れる。おかずの煮つけは、かぼちゃとなすを大きく切り、水といりこ二、三びきを入れて炊きあげる。火が通ると醤油を入れて味をつける。煮つけのいりこも醤油汁のいりこも、口の中に入るとがさがさするが、魚を食べることが少ないので、残さず食べる。

写真:夏の夕食
麦飯、そうめん汁、なすとかぼちゃの煮つけ。夏のそうめん汁は醤油味にする。

 

出典:立石一 他. 日本の食生活全集 36巻『聞き書 徳島の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.26-27

関連書籍詳細

日本の食生活全集36『聞き書 徳島の食事』

立石一 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540900075
発行日:1990/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

祖谷そばにたらいうどん、いろりのそばで香りたつでこまわし。渦潮にもまれて育つ魚やわかめ。海・山のバラエティ豊かな暮らしと食を祭事とともに再現。藍商人の食事も再現。
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