食欲をそそる川魚、野菜のどぼ漬、煮もの――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2023年06月14日

聞き書 京都の食事 丹波山間の食より

三度の食事――川魚、どぼ漬、そうめん……
このあたりでは、あまり麦類をつくらないが、家によってはつくっている。秋までの米の残りぐあいをみながら麦飯も食べる。近くの弓削川からは、ごり(かわよしのぼり)、はや、あゆなどの川魚がとれ、毎日のように川魚が食膳にのぼる。夏野菜のきゅうり、なすのどぼ漬が食欲をそそるころでもある。なす、かぼちゃ、とうがらしの煮もの、いんげんのおひたしがおいしくなる。夕闇が迫るころ、冷えたそうめんがなによりのごちそうである。
▼昼 六分搗き白米飯、きゅうりの酢のもの、もろみ、焼きとうがらし、ごりのつくだ煮、へしこ、塩たらの焼き魚。

写真:夏の昼食
上:きゅうりの酢もみ、どぼ漬(なす、きゅうり)/下:ごはん、焼き魚(かれい)

 

出典:畑明美 他編. 日本の食生活全集 26巻『聞き書 京都の食事』. 農山漁村文化協会, 1985, p.143-145

関連書籍詳細

日本の食生活全集26『聞き書 京都の食事』

畑明美 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540850066
発行日:1985/6
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 376頁

「三里四方の旬の野菜」の鮮度がいのちの京野菜は、近郊農家の主婦の振売りによって毎朝町場へ届けられ、その交流を通じて京料理は磨き上げられた。雅びと素朴の京の味。
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