むつごろうのかば焼き、味噌汁

連載日本の食生活全集

2020年07月03日

聞き書 佐賀の食事 有明海沿岸の食より

むつごろうは小さい魚なので、切らずに姿のままかば焼きにする。生きたまま口から尾に向けて串をさし、炭火で両面を焼く。なべに醤油と砂糖、水少量を入れて火にかけ、このたれに、むつごろうを二、三回浸して焼く。
むつごろうは一見気持の悪い魚であるが、かば焼きにすると非常においしい。うなぎのような脂っこさはないが、夏ばて防止になり、家族が喜ぶ。
味噌汁にするときは、洗ってそのまま三つくらいのぶつ切りにし、水から煮て、最後に味噌を溶き入れる。

写真:むつごろうのかば焼き

 

出典: 原田角郎 他. 日本の食生活全集 41巻『聞き書 佐賀の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.86-86

関連書籍詳細

日本の食生活全集41『聞き書 佐賀の食事』

原田角郎 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540910043
発行日:1991/11
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

稲作と茶と磁器発祥の地佐賀は、クリーク農業の地。佐賀平野の米とクリークの魚が食の基本。玄界灘と有明海という二つの海からは対馬暖流と干潟の恵みが四季の食膳をにぎわす。
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