がにたたき汁

連載日本の食生活全集

2020年09月04日

聞き書 山形の食事 庄内平野の食より

月夜のかには軽くて身が少ないといわれているが、川がには十月ごろからおいしくなる。はさみと爪先をもぎとって「なんまいだぶつ」と唱えながら甲らをはがし、えらもとる。けやきなど木目の固く厚いまないたの上にかにをのせ、なたや出刃包丁でよくたたいたものを味噌こし(竹の皮でつくったざる)に入れ、味噌汁の煮たっているなべに入れてよくかき混ぜる。かにの身がぷんぷん浮いてきたら、焼き麩やねぎを入れる。非常にあっさりとして軽い味で、何杯もおかわりする。

 

出典:木村正太郎 他. 日本の食生活全集 6巻『聞き書 山形の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.234-234

関連書籍詳細

日本の食生活全集6『聞き書 山形の食事』

木村正太郎 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540880445
発行日:1988/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

山形の「母なる川」最上川が結ぶ置賜盆地、村山の平野と山間、県北の最上、庄内平野。暮らしの柱にある米と結びついた山と海の幸のすべてを紹介。加えて、羽黒山修験道の食、酒田海船問屋の食を再現。
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