聞き書 長崎の食事 島原の食より
西郷の山麓で、秋祭りや稲刈りのしめ祝によくつくる。
地鶏をつぶして、そのがらでだしをとり、薄い醤油味をつける。やまいもを陶器のおろし金でおろし、手を水でぬらしながら、煮えたっただしの中へ一口くらいの大きさにちぎりこむ。ひと煮たちしてから、ほうれんそう、ねぎを浮かせてどんぶりに盛り、しょうがのすりおろしをおとして熱いのを食べる。しこしこして、自然薯の味がする。
出典:月川雅夫 他. 日本の食生活全集 42巻『聞き書 長崎の食事』. 農山漁村文化協会, 1985, p.119-120