きびなのいりやき

連載日本の食生活全集

2020年10月09日

聞き書 長崎の食事 五島の食より

夏のきびなもおいしいが、十一月から十二月にかけてとれる冬のきびなも脂がのっておいしい。冬のきびなは、いりやきにして食べることが多い。
いろりに五徳をおき、なべをかけて水を入れ、次に醤油を入れる。たぎってきたら、しゅんぎくや大根のおすわ切り(せん切り)、細長く切ったねぎを入れて、最後にきびなを入れ、たぎらないうちに食べてしまう。味が薄くなってくれば醤油を入れる。
材料は竹の味噌こしに盛って、なべのそばにおき、つぎつぎに入れる。食べるときは、骨を口でそびき(しごき)ながら食べる。

 

出典:月川雅夫 他. 日本の食生活全集 42巻『聞き書 長崎の食事』. 農山漁村文化協会, 1985, p.244-245

関連書籍詳細

日本の食生活全集42『聞き書 長崎の食事』

月川雅夫 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540850011
発行日:1985/04
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 378頁

海岸線が全国で一番長い県・長崎。離島が群れなす長崎。中国と南蛮の影響。さつまいもの料理が一番発達している長崎。さまざまな長崎のさまざまな料理の全貌を紹介する。
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