だぶ

連載日本の食生活全集

2020年10月07日

聞き書 福岡の食事 筑前中山間の食より

仏事のときには必ずつくり、結婚式などの祝いごとのときにもつくる。
里芋(季節によってはじゃがいも)、こんにゃく、ごんぼう、にんじん、しいたけ、油揚げ(厚揚げのこともある)、花麩、れんこんなどのなかから奇数の材料を選び、それぞれ三、四分角くらいに切る。醤油と塩に砂糖はかくし味ていどにし、実だくさんのおつゆ(吸いもの)のような味つけで、しいたけのだしで煮て、仕あげにくず粉でとろみをつける。好きな人はおかわりをして食べる。お祝いのときは、鶏を入れる。

写真:だぶの材料(大皿:里芋、こんにゃく、にんじん、ごぼう、しいたけ、油揚げ、花麸/小皿:とろみをつけるくず粉)

 

出典:中村正夫 他. 日本の食生活全集 40巻『聞き書 福岡の食事』. 農山漁村文化協会, 1987, p.79-80

関連書籍詳細

日本の食生活全集40『聞き書 福岡の食事』

中村正夫 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540860775
発行日:1987/02
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

玄界灘・有明海・周防灘の三つの海と、筑後川・遠賀川などの豊かな水にうるおう古代国家発祥の地・福岡の食は、ロマンと豊饒、篤き信仰心と伝統に育まれている。
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