聞き書 福岡の食事 筑前中山間の食より
仏事のときには必ずつくり、結婚式などの祝いごとのときにもつくる。
里芋(季節によってはじゃがいも)、こんにゃく、ごんぼう、にんじん、しいたけ、油揚げ(厚揚げのこともある)、花麩、れんこんなどのなかから奇数の材料を選び、それぞれ三、四分角くらいに切る。醤油と塩に砂糖はかくし味ていどにし、実だくさんのおつゆ(吸いもの)のような味つけで、しいたけのだしで煮て、仕あげにくず粉でとろみをつける。好きな人はおかわりをして食べる。お祝いのときは、鶏を入れる。
写真:だぶの材料(大皿:里芋、こんにゃく、にんじん、ごぼう、しいたけ、油揚げ、花麸/小皿:とろみをつけるくず粉)
出典:中村正夫 他. 日本の食生活全集 40巻『聞き書 福岡の食事』. 農山漁村文化協会, 1987, p.79-80