にんじん汁

連載日本の食生活全集

2020年11月19日

聞き書 岐阜の食事 恵那平坦(東野)の食より

にんじん汁といっても、にんじんを入れるとは限らず、家にある大根、里芋、こんにゃくなどの材料に小豆を入れて味噌で味つけしたものをいう。にんじんを入れてつくる家もある。
大なべにいっぱいつくり、いろりで煮て食べる冬の代表的なおさいである。
大根は三分厚さの輪切りか半月切りにする。里芋は皮をむいて大きなものは斜め二つくらいに切る。こんにゃくも大きめの三角形に切る。以上の材料と、ゆでてあくをとった小豆を大なべに入れ、たっぷりの水と煮干し、味噌を入れ、いろりにかけて煮る。煮れば煮るほどおいしくなり、温め直して何回でも食べる。

写真:冬の日常のおさい「にんじん汁」

 

出典:森基子 他. 日本の食生活全集 21巻『聞き書 岐阜の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.128-129

関連書籍詳細

日本の食生活全集21『聞き書 岐阜の食事』

森基子 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540900044
発行日:1990/05
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

飛騨は山の恵み、美濃は川の恵み豊かな国。米と繭の国だが、雑穀や山菜、木の実も大切な食糧。味噌・漬物・どぶろくなど発酵食品がよく発達している。山・川の恵みを受けた八つの地区の暮らしと食を収録。
田舎の本屋で購入

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