柿えりこ

連載日本の食生活全集

2020年11月18日

聞き書 福井の食事 奥越山間の食より

八ちゃ柿といって、少し大きめの柿は、もいできたら、家の中でしばらくそのまま置いておくと、ひと月くらいでやわらかく、甘く熟してくる。これをうませ柿という。もっと早く熟させたいと思うときは、はしで二、三か所つっついておく。
このまま食べてもおいしいが、大麦やとうきびを炒って粉にしたえりこに、うませ柿の皮や種をとり除いたものを入れてよく混ぜ合わせると、甘くておいしい。これを柿えりこという。

写真:炒ったとうきび(右上の皿)を石臼でひいて、えりこ(右下の皿)にする。これに熟した八ちゃ柿(左)を入れて、はしで練るとできあがり。

 

出典:小林一男 他. 日本の食生活全集 18巻『聞き書 福井の食事』. 農山漁村文化協会, 1987, p.128-128

関連書籍詳細

日本の食生活全集18『聞き書 福井の食事』

小林一男 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540870187
発行日:1987/06
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

木の芽峠を境に嶺南と嶺北に分かれる福井県は越前と若狭の二国から成る。報恩講を開いては食を共にして絆を深めあう越前、海の幸と山の幸がともに食膳にのぼる若狭の国。
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