聞き書 宮城の食事 阿武隈丘陵の食より
下伊具地方は養蚕地帯なので、二月十六日はまゆだんごをつくって蚕の神さまに供え、繭の豊作を祈願する。
上米のうる米ともち米を三対二の割合で混ぜ合わせて臼でこづき、ふるいにかけ、きめの細かい上等の粉をつくる。この粉に水を入れてこね、繭のように丸めてゆでる。これを繭に見たてて、てらだ(蚕が繭をかける蔟)に並べ、蚕の神さまにお供えする。
白砂糖をつけたり、砂糖醤油で食べる。
出典:竹内利美 他. 日本の食生活全集 4巻『聞き書 宮城の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.282-282