田植えの楽しみは、白米の混ぜ飯―晴れ食・行事食

連載日本の食生活全集

2021年06月02日

聞き書 山口の食事 山代の食より

田植え
田植えは結の手間がえで行ない、食事をまかなう。おごうさあも昼間はみなと一緒に田植えに出なければならないので、したくは夜のうちにしておく。
府谷地区の白石家は、田が家から近いので、家に手間がえの人をよぶ。しかし遠い家では、弁当にして持って行く。
麦を入れない混ぜ飯(かやく飯。かやくは、切干し大根、ごぼう、にんじん)、たけのこやその年の初もののじゃがたらの煮しめ、ちしゃを酢味噌であえたちしゃなますなどでもてなす。まめな田をつくるといって縁起をかつぎ、かき豆を混ぜた白米の豆ごはんが混ぜ飯にかわることもある。

写真:田植どきの食事
混ぜ飯、こうこう、煮しめ(たけのこ、こんぶ、にんじん、じゃがたら、切干し大根)

 

出典:中山清次 他. 日本の食生活全集 35巻『聞き書 山口の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.73-74

関連書籍詳細

日本の食生活全集35『聞き書 山口の食事』

中山清次 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540890017
発行日:1989/04
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 382頁

日本海、響灘、周防灘の三つの海に囲まれる山口県は、西日本の陸海交通の要衝。維新以来、歴史を動かしてきた地の人々の暮らしの呼吸と食べものを伝える。
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