聞き書 群馬の食事 奥多野の食より
■農休み
春蚕に麦刈り、麦こなし(麦の脱穀)、さんどいも掘りと忙しく働いて、七月末の農休みを迎える。子どもたちも夏休みで、寄宿舎から帰ってきてにぎやかだ。甘いあんこのまんじゅうをつくり、煮しめもんでもする。夜はうどんを打ち、つきあげをする。
夏の間は男衆と一緒に山でかせぐので、女衆はとくに忙しい。仕事仕事で食べものづくりには時間をとれなかったので、農休みにはせいいっぱいごちそうをつくる。
写真:農休みのごちそう
まんじゅう、つきあげ(さんどいも、なす、ねぎ)
出典:志田俊子 他. 日本の食生活全集 10巻『聞き書 群馬の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.173-174