おのっぺ汁や粕汁で温かく―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2021年11月29日

聞き書 長野の食事 諏訪盆地の食より

昼―朝の残りごはん、粕汁、ふなのすずめ焼き
諏訪では造り酒屋が多く、粕が手に入りやすいので、冬の間はよく粕汁をつくる。大根、にんじん、かけ菜(稲核菜の干したもの)などのたくさん入った汁で、酒粕の甘みが野菜にしみこんでいる。これに、ぬかえびのつくだ煮、あるいはふなのすずめ焼き、漬物がつけば上等である。

写真:冬の昼食
上:ふなのすずめ焼きとにんじんの三五八漬/下:白米ごはん、粕汁

 

出典:向山雅重 他編. 日本の食生活全集 20巻『聞き書 長野の食事』. 農山漁村文化協会, 1986, p.140-141

関連書籍詳細

日本の食生活全集20『聞き書 長野の食事』

向山雅重 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540860768
発行日:1986/12
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

十州に境を連ねる信州の山と川、四つの平の恵みを生かしきる女の技を収録。木曽のすんき漬、東信の野沢菜漬、中信の稲扱菜など、特徴ある野菜がいっぱい。海こそなけれよろず足らわぬことなき暮らしと食を聞書きする。
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