七茶飯を炊き、赤いわしを焼いて立春―晴れ食・行事食

連載日本の食生活全集

2022年02月04日

聞き書 兵庫の食事 淡路の食より

節分
節分のことを「年越し」ともいい、炒り豆をまいて鬼追いをする。厄年の人は厄神さん(北阿万村の薬王寺)へもうで、境内の舞台から丸もちをまいて厄払いをする。男の四二歳は大厄といい、この年を無事に越えるよう、「初老の祝い」をする。これは結婚式にも劣らぬほど盛大にする。日は決まっていないが、年越しまでにすませる。
節分の翌日は立春。鬼追いの炒り豆を茶わんの糸底でごろごろと押して割り、水につけてふやかし、飯に炊きこんで七茶飯をつくる。神棚に供え、家族も食べる。赤いわし(大羽いわし)を焼いておかずにする。赤いわしは災いを逃れるというだけでなく、寒のころはよく脂がのっておいしい。

写真:七茶飯
節分の炒り豆の残りで炊く。

 

出典:和田邦平 他編. 日本の食生活全集 28巻『聞き書 兵庫の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.291-293

関連書籍詳細

日本の食生活全集28『聞き書 兵庫の食事』

和田邦平 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540910067
発行日:1992/3
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

摂津、丹波、但馬、播磨、……瀬戸内から日本海にまでいたる多彩な風土と独自の食文化、さらに国際都市神戸のハイカラ料理、淀川長治氏が語る神戸モダンボーイの食事も紹介。
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