聞き書 大阪の食事 南河内山村の食より
うる米(うるち米)ともち米を六対四の割合で合わせ、洗って二、三時間水につけたあと、ざるにあげて陰干しにして、乾いたら唐臼で搗いて粉にする。
これを半切り(底の浅い木の桶)に入れて、熱湯を少しずつ加えながらよく練り、一つずつ形をととのえ、やの竹(おなご竹ともいう)という笹竹の葉三、四枚で包みこみ、わらでえび形にくくる。これを一〇個または二〇個ずつひとくくりにして、熱湯で一五分ほど煮たらできあがる。
内蔵や味噌部屋につるしておくと、一〇日間くらいは保存できる。固くなったものはゆがきなおして、塩味またはきな粉をつけて食べる。
ちまき二〇個をくくったものを一連と数える。うる米ともち米を合わせて五升から一斗を一度につくり、五月の節句には二連を嫁の実家に持って行き、一連を返してもらう。
写真:やの竹の葉でつくる端午の節句のちまき
出典:上島幸子 他編. 日本の食生活全集 27巻『聞き書 大阪の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.234-234