聞き書 大阪の食事 天満雑貨商の食より
寒い日の夕食のおかずにする。味がよくなじんだほうがおいしいので、昼前から炊きはじめ、夕食の前にまた火にかける。翌日になるともっとおいしくなる。
材料は、大根、じゃがいも、こいも(里芋)、こんにゃく、厚揚げ、煮ぬき(ゆで卵)、ごぼ天、ちくわなどの練り製品、牛の筋肉、ころ(まっこうくじらの本皮の煎りがら。煎り皮ともいう)。煮汁は、おこぶ(こんぶ)とかつ節のだしをたっぷり使い、薄口醤油、みりん、砂糖、塩で味つけする。大根は八分ぐらいに輪切り、じゃがいもとこいもは皮をむく。こんにゃくは三角、ころは五分角ぐらいに切る。乾燥したかちかちのころは、水につけ、落としぶたをして四~七日毎日水をかえ、やわらかくなってから使う。
くずれにくいこんにゃくを底に入れ、じゃがいも、こいも、ころの順に入れる。厚揚げと半分に切ったちくわは上に置く。汁ものより濃いめに味つけしただし汁を材料の高さまで入れ、落としぶたをして煮たったら火を弱め、気長に炊く。
出典:上島幸子 他編. 日本の食生活全集 27巻『聞き書 大阪の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.98-99