関東炊き

連載日本の食生活全集

2022年11月09日

聞き書 大阪の食事 天満雑貨商の食より


寒い日の夕食のおかずにする。味がよくなじんだほうがおいしいので、昼前から炊きはじめ、夕食の前にまた火にかける。翌日になるともっとおいしくなる。
材料は、大根、じゃがいも、こいも(里芋)、こんにゃく、厚揚げ、煮ぬき(ゆで卵)、ごぼ天、ちくわなどの練り製品、牛の筋肉、ころ(まっこうくじらの本皮の煎りがら。煎り皮ともいう)。煮汁は、おこぶ(こんぶ)とかつ節のだしをたっぷり使い、薄口醤油、みりん、砂糖、塩で味つけする。大根は八分ぐらいに輪切り、じゃがいもとこいもは皮をむく。こんにゃくは三角、ころは五分角ぐらいに切る。乾燥したかちかちのころは、水につけ、落としぶたをして四~七日毎日水をかえ、やわらかくなってから使う。
くずれにくいこんにゃくを底に入れ、じゃがいも、こいも、ころの順に入れる。厚揚げと半分に切ったちくわは上に置く。汁ものより濃いめに味つけしただし汁を材料の高さまで入れ、落としぶたをして煮たったら火を弱め、気長に炊く。

 

出典:上島幸子 他編. 日本の食生活全集 27巻『聞き書 大阪の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.98-99

関連書籍詳細

日本の食生活全集27『聞き書 大阪の食事』

上島幸子 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540900099
発行日:1991/2
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5判上製 392頁

商人の町・大阪は、日本中の一流の物産が集まる「天下の台所」。船場、天満の商家、月給取り、近在の農家・漁家の食卓に、「食い倒れ」の真相を探る。写真を添えて料理を再現した食の歳時記。
田舎の本屋で購入

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