焼きもちの腰巻き弁当

連載日本の食生活全集

2022年12月02日

聞き書  滋賀の食事 鯖街道朽木谷の食より


朝、いろりの縁にもちを立てかけておくと、むっくりと焼けるので、とち、よもぎ、きびなどの入ったもちを並べかけて焼く。この焼きもちに黒砂糖や味噌を挟み、一尺くらいに切ったこんぶで包む。それを竹の皮で包んでから、薄綿を入れて縫った袋に入れ、腰にくくりつけて学校や山へ行く。
体温でもちが昼になってもやわらかく、こんぶの味が移り、上等のかまぼこだと子どもたちは喜ぶ。学校の帰り道に、こんぶを少しずつ食べるので一〇日ももたない。

 

出典:橋本鉄男 他編. 日本の食生活全集 25巻『聞き書 滋賀の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.284-284

関連書籍詳細

日本の食生活全集25『聞き書 滋賀の食事』

橋本鉄男 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540910012
発行日:1991/6
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

日本最大の湖・琵琶湖には鯉・鮒・もろこなど淡水魚があふれる。ふなずしをはじめ、滋賀県特有の湖魚の食べ方をもらさず紹介。また、近江商人発祥の地に残る本宅(店に対する自宅)の食生活など話題がいっぱい。
田舎の本屋で購入

このカテゴリーの記事 - 日本の食生活全集
おすすめの記事