聞き書 京都の食事 丹波山間の食より
■三度の食事――川魚、どぼ漬、そうめん……
このあたりでは、あまり麦類をつくらないが、家によってはつくっている。秋までの米の残りぐあいをみながら麦飯も食べる。近くの弓削川からは、ごり(かわよしのぼり)、はや、あゆなどの川魚がとれ、毎日のように川魚が食膳にのぼる。夏野菜のきゅうり、なすのどぼ漬が食欲をそそるころでもある。なす、かぼちゃ、とうがらしの煮もの、いんげんのおひたしがおいしくなる。夕闇が迫るころ、冷えたそうめんがなによりのごちそうである。
▼昼 六分搗き白米飯、きゅうりの酢のもの、もろみ、焼きとうがらし、ごりのつくだ煮、へしこ、塩たらの焼き魚。
写真:夏の昼食
上:きゅうりの酢もみ、どぼ漬(なす、きゅうり)/下:ごはん、焼き魚(かれい)
出典:畑明美 他編. 日本の食生活全集 26巻『聞き書 京都の食事』. 農山漁村文化協会, 1985, p.143-145