聞き書 愛媛の食事 高縄山塊(鈍川)の食より
■野良行きの弁当――麦飯または白飯、塩鮭、梅干し、こんこ
秋は、田畑に行くとき、朝の一〇時に食べる弁当と、午後三時に食べる弁当を持って行く。行李の弁当箱で、一〇時に食べるものは大箱で、三時は小箱。ごはんは山盛りいっぱい。腹がよくすくので、ときどきはほとんどが米のいわゆる白飯を持って行くこともあって、この白に近いごはんのときが待ち遠しい。おかずは塩鮭と梅干し、こんこなどである。
写真:野良行き弁当
米の割合の多いごはんに、塩鮭、こんこ、梅干しなどを詰めて、2食分持って行く。
出典:森正史 他編. 日本の食生活全集 38巻『聞き書 愛媛の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.267-269