秋野菜を塩辛と煮る――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2023年10月05日

聞き書 山口食事 北浦海岸の食より

昼飯――大根煮しめ、青菜のひしおかけ
畑から掘ってきたばかりの大根を、さばの塩辛と一緒に煮る。塩辛は春につくっておいたもので、梅雨を越してからがおいしい。塩辛の塩気が大根にしみ、骨、身がぱらぱらになって大根にまぶれて、とてもうまい。
秋風が吹くころ、大根や青菜の間引き菜を一夜漬にして、盆すぎにつくっておいたひしおをつけて食べる。
醤油は買って使う貴重品なので、ふだんの料理の味つけには、このように塩辛やひしおを利用することが多い。

写真:秋の昼飯
麦飯、青菜のひしおかけ、大根の煮しめ

 

出典:中山清次 他編. 日本の食生活全集 35巻『聞き書 山口の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.166-167

関連書籍詳細

日本の食生活全集35『聞き書 山口の食事』

中山清次 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540890017
発行日:1989/4
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 382頁

日本海、響灘、周防灘の三つの海に囲まれる山口県は、西日本の陸海交通の要衝。維新以来、歴史を動かしてきた地の人々の暮らしの呼吸と食べものを伝える。
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