聞き書 山口の食事 北浦海岸の食より
■昼飯――大根煮しめ、青菜のひしおかけ
畑から掘ってきたばかりの大根を、さばの塩辛と一緒に煮る。塩辛は春につくっておいたもので、梅雨を越してからがおいしい。塩辛の塩気が大根にしみ、骨、身がぱらぱらになって大根にまぶれて、とてもうまい。
秋風が吹くころ、大根や青菜の間引き菜を一夜漬にして、盆すぎにつくっておいたひしおをつけて食べる。
醤油は買って使う貴重品なので、ふだんの料理の味つけには、このように塩辛やひしおを利用することが多い。
写真:秋の昼飯
麦飯、青菜のひしおかけ、大根の煮しめ
出典:中山清次 他編. 日本の食生活全集 35巻『聞き書 山口の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.166-167