聞き書 香川の食事 瀬戸内沿岸の食より
枡建漁と農作業に追われて最も忙しい季節だが、ときには山へ、きのこどりにも出かける。まいろ、あかしょ、あぶらだけなどをとってきて、大根飯や煮しめを炊く。
■晩飯――麦飯、だんご入り味噌汁、たこのあえもの
味噌汁に、ゆがいた干しうどんやだんごを落としこんだりする。味噌汁にはもちろん小魚を入れる。また、潮の引いた浜を歩き、岩の穴にこもっている大だこをとってきて、とれたてのたこのあえものを食べることもある。
写真:秋の晩飯
上:たくあん、ちぬのいりつけ/下:麦飯、よそぎのだしのうどん汁
出典:井上タツ 他編. 日本の食生活全集 37巻『聞き書 香川の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.274-275