聞き書 神奈川の食事 相模川流域の食より
■一つ目小僧
十二月八日。もともとは事始めの節句で、事の神をまつる行事であったらしいが、昭和のはじめのころは悪魔払いの行事となっている。この日は、大きな目一つの鬼が家の中をのぞくといわれており、目のたくさんある目かごや手すくい(竹製の大きな網杓子)を錠口(玄関口)に掛けて追い払う。また、赤のごはん(小豆飯)、うどん、おこと汁(豆腐と里芋を入れた味噌汁)などを神棚に供える。
写真:「一つ目小僧」の日の神棚へのお供え
うどん、赤のごはん、おこと汁。一つ目小僧を追い払う目かごは錠口にかける。
出典:遠藤登 他編. 日本の食生活全集 14巻『聞き書 神奈川の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.180-183