組内の宿が年始や講のごちそうづくり――晴れ食・行事食

連載日本の食生活全集

2023年12月13日

聞き書 神奈川食事 相模川流域の食より

一つ目小僧
十二月八日。もともとは事始めの節句で、事の神をまつる行事であったらしいが、昭和のはじめのころは悪魔払いの行事となっている。この日は、大きな目一つの鬼が家の中をのぞくといわれており、目のたくさんある目かごや手すくい(竹製の大きな網杓子)を錠口(玄関口)に掛けて追い払う。また、赤のごはん(小豆飯)、うどん、おこと汁(豆腐と里芋を入れた味噌汁)などを神棚に供える。

写真:「一つ目小僧」の日の神棚へのお供え
うどん、赤のごはん、おこと汁。一つ目小僧を追い払う目かごは錠口にかける。

 

出典:遠藤登 他編. 日本の食生活全集 14巻『聞き書 神奈川の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.180-183

関連書籍詳細

日本の食生活全集14『聞き書 神奈川の食事』

遠藤登 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540920028
発行日:1992/7
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

和洋中が勢揃いの横浜のハイカラ料理、古都鎌倉の伝統食から、相模野の恵み、山・川・海の幸を集めた県内各地の素朴な郷土料理まで、地元のお年寄りからの聞き書きをもとに再現。写真つきで記録。
田舎の本屋で購入

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