実だくさんのおつけで暖をとる――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2024年02月19日

聞き書 栃木食事 那須野ヶ原開拓の食より


炭俵編みや蚕の下とり網づくり、畑の手入れと精を出し、わずかの時間も惜しい暮らしのなかでは、食べることに時間をかけられない。
昼飯は、たいてい朝の残りものを食べる。飯は土べっついにのせておくと、わりあいいつまでもぬくもっているので助かる。いろりの火に朝のおつけをかけて温め、ぶっかけ飯にしてかっこむ。夕方、腹をすかせて帰ってくる子どもたちには、ゆでいもや秋に加工して貯蔵しておいた干し柿とか乾燥いも、木綿糸を通して干しあげた勝栗などがおやつになる。
乾燥いもも干し柿も、秋につくって桶や箱に入れ、着物を二、三枚かけてねかせておくと、白い粉をふき、なんともいえない甘みの濃い食べものになる。

写真:子どもたちの冬のおやつ
干し柿、乾燥いも、木綿糸を通して干しあげた勝栗

 

出典: 君塚正義 他編. 日本の食生活全集 9巻『聞き書 栃木の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.140-144

関連書籍詳細

日本の食生活全集9『聞き書 栃木の食事』

君塚正義 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540880322
発行日: 1988/8
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

鮭食の伝統「しもつかれ」、伝統行事に食の歴史をとどめる栃木の食。海なし県栃木で多用される川魚、里芋。山と川と里の国栃木の習俗、行事、暮らし、食の姿を伝える。
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