かにのだしでおいしく食べるそうめん汁――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2024年06月12日

聞き書 愛知食事 愛知海岸(南知多)の食より

昼――かにそうめん、なすの塩漬、らっきょう漬
夏は、かに網漁でかにがたくさんとれる。かには爪をはずして出荷するため、爪がとろ箱一杯もたまることがある。そういうときは、ゆでてそのままおやつにしたり、ちから煮(そぼろ)、そうめん汁、じゃがいもとの煮つけにしたりと、かに一色の食事となる。
そうめん汁のだしとりに、かにを一ぴきのまま使うときは、甲羅をはずし、四つに切って入れるとよく味が出る。この汁にそうめんをつけて食べるが、つけ汁でかにみそを溶いて食べると、暑いときでもいくらでも食べられる。

写真:夏の昼食
そうめんを、かにだしのつけ汁で食べる。らっきょう漬、なすの塩漬を添える。

 

出典:星永俊 他編. 日本の食生活全集 23巻『聞き書 愛知の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.160-161

関連書籍詳細

日本の食生活全集23『聞き書 愛知の食事』

星永俊 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540890031
発行日: 1989/8
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

海、山、川、田畑の幸豊かな愛知、味噌のルーツ豆味噌を生かす味噌料理の数々。尾張藩時代からの伝統ある食べものと、江戸、上方の味覚がおりなす多彩な食。
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