聞き書 愛知の食事 愛知海岸(南知多)の食より
■昼――かにそうめん、なすの塩漬、らっきょう漬
夏は、かに網漁でかにがたくさんとれる。かには爪をはずして出荷するため、爪がとろ箱一杯もたまることがある。そういうときは、ゆでてそのままおやつにしたり、ちから煮(そぼろ)、そうめん汁、じゃがいもとの煮つけにしたりと、かに一色の食事となる。
そうめん汁のだしとりに、かにを一ぴきのまま使うときは、甲羅をはずし、四つに切って入れるとよく味が出る。この汁にそうめんをつけて食べるが、つけ汁でかにみそを溶いて食べると、暑いときでもいくらでも食べられる。
写真:夏の昼食
そうめんを、かにだしのつけ汁で食べる。らっきょう漬、なすの塩漬を添える。
出典:星永俊 他編. 日本の食生活全集 23巻『聞き書 愛知の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.160-161