潮をみては貝をとっておかずに――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2024年06月11日

聞き書 山口食事 北浦海岸の食より

晩飯――麦飯、むぎやきの煮つけと「医者殺し」、べべの味噌汁、たくあん
夏の魚は、なんといってもむぎやきが一番おいしい。釣ったり、もらったりして食べる。腹わたをとって洗い、一ぴきごと醤油で煮る。
身をひととおり食べると、頭や中骨に熱湯を注いで、はしでよく押さえながら汁けをすする。残った身を食べ、骨から出るだしがなくなるまで湯を注いで飲む。この汁は滋養があると信じられ、これを飲むと病気をしないということから、これを「医者殺し」と呼んでいる。
べべは、とりたてを味噌汁にするととてもうまい。大きさは親指の先くらいで、別名「嫁の皿」と呼ばれて親しまれている。

写真:夏の晩飯
麦飯、べべの味噌汁、たくあん、むぎやきの煮つけ。むぎやきはあとで、「医者殺し」にする。

 

出典:中山清次 他編. 日本の食生活全集 35巻『聞き書 山口の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.163-164

関連書籍詳細

日本の食生活全集35『聞き書 山口の食事』

中山清次 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540890017
発行日: 1989/4
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 382頁

日本海、響灘、周防灘の三つの海に囲まれる山口県は、西日本の陸海交通の要衝。維新以来、歴史を動かしてきた地の人々の暮らしの呼吸と食べものを伝える。
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