聞き書 山口の食事 城下町萩の食より
梅干しを水につけ、二、三日の間毎日水をとりかえると、酸気と塩気がほどよく抜ける。だしこぶを敷いたなべに梅を入れ、砂糖を梅と同量入れる。醤油を少し入れて炊く。夜なべに炊き、一晩そのままおく。翌朝味をみて、またその日の夜なべに味を調節して炊き、一晩おく。翌朝また味をみて、甘酸っぱい、まろやかな味になっていればできあがりである。
こうして手間ひまかけてこしらえる煮梅は、暑い夏の大切な味覚で、毎日一個ずつ大切にいただく。
出典:中山清次 他編. 日本の食生活全集 35巻『聞き書 山口の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.319-319