煮梅

連載日本の食生活全集

2024年08月05日

聞き書 山口食事 城下町萩の食より

梅干しを水につけ、二、三日の間毎日水をとりかえると、酸気と塩気がほどよく抜ける。だしこぶを敷いたなべに梅を入れ、砂糖を梅と同量入れる。醤油を少し入れて炊く。夜なべに炊き、一晩そのままおく。翌朝味をみて、またその日の夜なべに味を調節して炊き、一晩おく。翌朝また味をみて、甘酸っぱい、まろやかな味になっていればできあがりである。
こうして手間ひまかけてこしらえる煮梅は、暑い夏の大切な味覚で、毎日一個ずつ大切にいただく。

 

出典:中山清次 他編. 日本の食生活全集 35巻『聞き書 山口の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.319-319

関連書籍詳細

日本の食生活全集35『聞き書 山口の食事』

中山清次 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540890017
発行日: 1989/4
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 382頁

日本海、響灘、周防灘の三つの海に囲まれる山口県は、西日本の陸海交通の要衝。維新以来、歴史を動かしてきた地の人々の暮らしの呼吸と食べものを伝える。
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