聞き書 福井の食事 若狭中山間の食より
七月になるとなすびがとれるのでふだんのおかずによくつくる。大きなものは四つ割り、小さなものは二つぐらいに切って、身欠きにしんと一緒に煮る。にしんはよく洗ってきりばん(まないた)の上に置き、たたいて身をほぐして入れ、醤油を入れて煮る。なすびとにしんの味が混じりあって、独特の味が出る。
また冬は、身欠きにしんと大根を同じような方法で煮る。あったかいので、お菜として喜ばれる。
出典:小林一男 他. 日本の食生活全集 18巻『聞き書 福井の食事』. 農山漁村文化協会, 1987, p.251-251