どじょう汁

連載日本の食生活全集

2020年10月14日

聞き書 大分の食事 宇佐平野の食より

溝の中にいるどじょうは、つかまえてバケツの井戸の水の中にしばらく入れてのろを吐かせ、くさみを抜く。
これを、しょうけ(ざる)に上げて水気を切っておく。なべに油をひき、生きたままどじょうを入れてふたをする。どじょうがのびたらふたをあけ、食べやすいように、しゃもじでどじょうの形をくずす。その中に水をたっぷり入れ、季節の野菜、麩、揚げなどを入れ、醤油で味をつける。夏は味噌味にする。野菜は、夏ならしろいも、なすび、かぼちゃを入れる。里芋がとれだすと、里芋を入れてもよい。
また赤尾では、手打ちうどんをゆでて入れることがあるが、宇佐地方一般では、生きたどじょうと一緒に豆腐を入れる。こうすると豆腐の中にどじょうが入って煮あがる。

 

出典:波多野道義 他. 日本の食生活全集 44巻『聞き書 大分の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.268-269

関連書籍詳細

日本の食生活全集44『聞き書 大分の食事』

波多野道義 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540920011
発行日:1992/06
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

豊後・大分は、その名のとおり「豊の国」。県内各地には名物料理が目白押し。大分市の「ほうちょう」、豊後水道沿岸の「さつま」「かまぼこ」、竹田の頭料理、臼杵の黄飯、きらすま飯、日田盆地のがめ煮……。
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