じゃみのからみ

連載日本の食生活全集

2020年11月09日

聞き書 千葉の食事 九十九里海岸の食より

からみとは生のことで、背黒いわしのからみは秋から春まで食べられる。
とれたての生きのよいじゃみの頭とはらわた、骨をとり除き、よく水洗いをしてから水を切り、にんにくのすりおろしとしょうが醤油をつけて食べる。酢味噌をつけてもよい。
酒のさかなによく合う。また、温かいごはんのおかずにもよく、ごはんにしょうが醤油がしみこんでおいしく、食欲をそそる。
うるめいわしや中羽いわしでも、脂のないときにはつくる。うるめいわしや中羽いわしの場合は皮をむいてからつくり、一口大に切り分けて出す。しょうが醤油につけておくと身がしまってさらにうまくなる。食べ方は背黒いわしと同じである。

写真:じゃみのからみつくり
頭とわたをとり除き、2枚にはぐ。

 

出典:高橋在久 他. 日本の食生活全集 12巻『聞き書 千葉の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.40-41

関連書籍詳細

日本の食生活全集12『聞き書 千葉の食事』

高橋在久 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540890024
発行日:1989/06
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

黒潮が打ち寄せる房総半島は日本でも屈指の好漁場。いわし・かつおに代表される海の幸と利根川の魚、台地の作物が食膳にのぼる。太巻ずしはこの地の伝統食。女性が築いた食の営みを記録する。
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