聞き書 兵庫の食事 丹波の食より
大根炊きは秋から冬の食卓に欠かせないおかずで、たびたびつくるが、ときによっていろいろなものと炊き合わせる。大根の輪切りに塩ますの頭やしっぽを入れてだしがわりにし、醤油、砂糖で味つけして煮る。
酒粕煮は、大根、にんじん、ちくわなどを大きくざく切りにし、塩ますを入れて煮る。煮汁に酒粕を溶き入れ、醤油で味つけする。一度にたくさん炊いておいて、何度も食べる。ますの頭は、酒粕を入れるとやわらかくなって、骨ごと食べられる。
写真:大根の酒粕煮
出典:和田邦平 他. 日本の食生活全集 28巻『聞き書 兵庫の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.272-272