聞き書 香川の食事 小豆島の食より
建網や底曳き網でとってくるげたは、小さなものは男衆が家へ持って帰るのでいりつけにする。新鮮だから、炊くと身が丸く曲がってしまう。新しいほど丸くなる。
ずっと小さいのは、まないたの上で包丁でとんとんたたき、小麦粉を混ぜてだんごをつくり、味噌汁の中へ入れたり、醤油で炊いたりして食べる。味がよい寒い冬ごろ、よくつくる。げたは薄塩して干すと、二、三日できれいに乾燥するので、保存しておく。売ったり、不漁のとき焼いて食べる。
出典:井上タツ 他. 日本の食生活全集 37巻『聞き書 香川の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.88-89