げたのだんご汁

連載日本の食生活全集

2020年12月11日

聞き書 香川の食事 小豆島の食より

建網や底曳き網でとってくるげたは、小さなものは男衆が家へ持って帰るのでいりつけにする。新鮮だから、炊くと身が丸く曲がってしまう。新しいほど丸くなる。
ずっと小さいのは、まないたの上で包丁でとんとんたたき、小麦粉を混ぜてだんごをつくり、味噌汁の中へ入れたり、醤油で炊いたりして食べる。味がよい寒い冬ごろ、よくつくる。げたは薄塩して干すと、二、三日できれいに乾燥するので、保存しておく。売ったり、不漁のとき焼いて食べる。

 

出典:井上タツ 他. 日本の食生活全集 37巻『聞き書 香川の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.88-89

関連書籍詳細

日本の食生活全集37『聞き書 香川の食事』

井上タツ 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540900068
発行日:1990/08
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

じゃこだしで食べるさぬきうどん、さわらでつくる魚ばっつおのごちそう、行事に欠かせない鮒のてっぱい。讃岐三白の伝統をひく食べものと溜池からの恵みを聞き書きする。
田舎の本屋で購入

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