聞き書 滋賀の食事 鯖街道朽木谷の食より
霜にあい、甘みの増した大根、にんじん、小いも、ごぼうなどをこんぶやじゃこ(煮干し)と煮こむ一品は、それぞれのうまみ、歯ざわりが違い、炊きたてはほかほかとして、冷めてもじっくりとして味わい深いものである。塩漬のたけのこやこんにゃくも入れて、冬にはものごと(行事)にもふだんにもよくつくる。
材料を一口大に切り、小いも以外の材料を大なべになべ割りにして(材料別に分けて)入れ、半煮えのころ小いもも入れ、時間をかけてしんみりと煮しめる。味つけは味噌のときが多いが、ものごとには醤油を使う。
出典:橋本鉄男 他. 日本の食生活全集 25巻『聞き書 滋賀の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.290-290