白い野菜から青い野菜に変わる―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2021年03月16日

聞き書 福島の食事 会津盆地の食より

冬の間の野菜は、大根、白菜、ねぎ、ごんぼなどで、青ものは大根葉の漬けたものくらいである。去年播いておいたくきたちが伸びはじめると、汁の実に、おひたしやおよごしにと、毎日食べる。くきたちの味噌汁に油揚げを入れると、ほんとうにうまい。
くきたちのとうが出るころになると会津も春、田畑の仕事が忙しくなる。

■朝飯―麦飯、味噌汁、身欠きにしんの味噌煮、漬物、くきたちのおひたし
雪が消え、畑の湿気がなくなると、いも畑をうなう。冬の間からだを休めていたので、力仕事をすると節ぶしが痛くなる。これを「春だしはくたびれる」という。

写真:春の朝飯
上:〔左から〕たくあん、身欠きにしんの味噌煮、くきたちのおひたし/下:麦飯、味噌汁

 

出典:柏村サタ子 他. 日本の食生活全集 7巻『聞き書 福島の食事』. 農山漁村文化協会, 1987, p.22-23

関連書籍詳細

日本の食生活全集7『聞き書 福島の食事』

柏村サタ子 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540870972
発行日:1987/12
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

にしん漬・三五八漬を肴に会津の酒を酌む。うにの貝焼、あんこう料理は浜通りの名物。豊富な食素材を伝統の生活知が生かす「みちのくのまほろば」福島ならではの味。
田舎の本屋で購入

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