串つなぎ煮しめ

連載日本の食生活全集

2021年08月23日

聞き書 福岡の食事 筑紫平野の食より

八朔ごもりや宮座の日に氏神にまいるとき、あるいは丑座の日に山の神にまいるときは、串つなぎ煮しめをめご(晴れの日用の竹かご)に入れて持っていき、直会をする。
里芋、ごぼう、にんじん、大根、こんにゃく、れんこん、かまぼこなど、五種類または七種類をそれぞれ田作りのだしで煮て、砂糖と醤油で味をつけて煮こみ、串につなぐ。一種類ずつ別々に煮こむのはめんどうではあるが、一緒に煮ると味や色が悪くなるので、必ず別々にする。
串につないでおくと、持ち運びに便利だし、大勢が一緒に食べるときも、とりやすく、はしも皿もいらない。

 

出典:中村正夫 他. 日本の食生活全集 40巻『聞き書 福岡の食事』. 農山漁村文化協会, 1987, p.132-132

関連書籍詳細

日本の食生活全集40『聞き書 福岡の食事』

中村正夫 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540860775
発行日:1987/2
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

玄界灘・有明海・周防灘の三つの海と、筑後川・遠賀川などの豊かな水にうるおう古代国家発祥の地・福岡の食は、ロマンと豊饒、篤き信仰心と伝統に育まれている。
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