聞き書 福岡の食事 筑紫平野の食より
八朔ごもりや宮座の日に氏神にまいるとき、あるいは丑座の日に山の神にまいるときは、串つなぎ煮しめをめご(晴れの日用の竹かご)に入れて持っていき、直会をする。
里芋、ごぼう、にんじん、大根、こんにゃく、れんこん、かまぼこなど、五種類または七種類をそれぞれ田作りのだしで煮て、砂糖と醤油で味をつけて煮こみ、串につなぐ。一種類ずつ別々に煮こむのはめんどうではあるが、一緒に煮ると味や色が悪くなるので、必ず別々にする。
串につないでおくと、持ち運びに便利だし、大勢が一緒に食べるときも、とりやすく、はしも皿もいらない。
出典:中村正夫 他. 日本の食生活全集 40巻『聞き書 福岡の食事』. 農山漁村文化協会, 1987, p.132-132