聞き書 福岡の食事 筑後南部クリーク地帯の食より
■夜―冷やしうどんや冷やしそうめん
いりこのだしに、みずいもやたまねぎ、なすびなどを少し入れたかけ汁をつくり、冷やしたうどんやそうめんにかけて食べる。うどんは、家で麦粉をこねてつくり、そうめんは行商人や精米所で麦粉と交換する。
ときにはだご汁をつくったり、さね飯が残っていたら食べる。ほかにしょんしょんやがね漬も添える。夕ごはんは、外にばんこ(夕涼み台)を出して食べる。
夕立でもくれば、藺草を片づけるのに、戦争のようである。
写真:夏の夕食
冷やしうどん(みずいも、たまねぎ、なすび、いりこ)、膳外は、しょんしょん(上)とがね漬
出典:中村正夫 他. 日本の食生活全集 40巻『聞き書 福岡の食事』. 農山漁村文化協会, 1987, p.216-217