聞き書 鳥取の食事 城下町鳥取の食より
大根、にんじん、里芋、ごぼう、こんにゃく、油揚げをさいの目かいちょうに切り、一緒にだし汁で煮こみ、醤油と砂糖で味つけしたものである。それぞれの野菜のうまみが出ておいしい。だしは、仏さまに供えるときはこんぶ、そのほかのときには煮干しでとる。
故浅沼氏によれば、「混煮物か小煮物かよくわからないが、十一月の仏教各派の開祖の忌日には、必ず仏壇に供える。根菜類の収穫を祝う農家行事としてできた料理かもしれない」ということである。
出典:福士俊一 他編. 日本の食生活全集 31巻『聞き書 鳥取の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.84-84