こにもの

連載日本の食生活全集

2021年11月12日

聞き書 鳥取の食事 城下町鳥取の食より


大根、にんじん、里芋、ごぼう、こんにゃく、油揚げをさいの目かいちょうに切り、一緒にだし汁で煮こみ、醤油と砂糖で味つけしたものである。それぞれの野菜のうまみが出ておいしい。だしは、仏さまに供えるときはこんぶ、そのほかのときには煮干しでとる。
故浅沼氏によれば、「混煮物か小煮物かよくわからないが、十一月の仏教各派の開祖の忌日には、必ず仏壇に供える。根菜類の収穫を祝う農家行事としてできた料理かもしれない」ということである。

 

出典:福士俊一 他編. 日本の食生活全集 31巻『聞き書 鳥取の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.84-84

関連書籍詳細

日本の食生活全集31『聞き書 鳥取の食事』

福士俊一 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540910036
発行日:1991/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 382頁

日本海側有数の漁港=賀路・境港のある鳥取県は、魚、えび、かに、貝と海の幸が多彩。磯場の夏泊海岸の海女漁は豊臣時代からの歴史をほこる。因幡の山間、伯耆富士=大山の山麓には山の幸たっぷりの食生活が。
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