聞き書 福島の食事 福島北部盆地の食より
稲刈りから稲こきまでせっせと働いてきたが、やっと十一月末に一段落する。それからは、ひまをみて一俵くらいずつ籾すりをし、玄米にしてしまっておく。正月前に新米に手をつけないで古い米を食べている家は、福しい家といわれる。
■えびす講
川から小ぶなをとってきて、どんぶりに水を張り、この中にふなを入れてえびすさまに上げる。さんまか、さばの尾頭づきを膳につけて上げ、家内中でこの日は同じ尾頭づきに、畑芋と豆腐の汁、白飯を食べる。
写真:えびす講のお供え
えびす・大黒さまに、生きている小ぶな2ひき、財布、お膳を供える。
出典:柏村サタ子 他編. 日本の食生活全集 7巻『聞き書 福島の食事』. 農山漁村文化協会, 1987, p.136-139