聞き書 山梨の食事 北都留(棡原)の食より
■朝―前日のでえこ麦と煮ごみうどん、里芋煮、けずり節、ねぎ味噌、梅干し
大麦の割麦に一割くらいの米を混ぜ、五、六倍の水を入れて、とろ火で半日ぐらいやわらかく煮る。ごはんを炊くのは一日一回で、昼から翌日の朝までもたせる。冬は、このお麦(麦飯)に大根の千六本を入れて、でえこ麦をつくることが多い。ねぎ味噌(生味噌にきざみねぎを混ぜたもの)、けずり節、梅干しをつけて食べる。
冬は、夜、里芋をゆっくり煮て、味噌で味つけしておいたものを朝になって食べる。
味噌汁はつくらず、前夜の煮ごみうどんを食べる。
写真:冬の朝食
上:〔左から〕梅干し、ねぎ味噌、けずり節/下:前日炊いたでえこ麦と煮ごみうどん
出典:福島義明 他編. 日本の食生活全集 19巻『聞き書 山梨の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.288-290