ふきやたけのこで春を満喫―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2022年03月24日

聞き書 愛知食事 尾張(稲沢)の食より

晩―麦飯、切干し大根の煮つけ、ふきとたけのこの煮つけ、うでいも、こうこ
夜は切干し大根と里芋、あるいはふきとたけのこなどにあぶらげを入れて煮つけにする。ふきやたけのこは屋敷まわりに生えているので、新鮮な春の味が楽しめる。里芋は秋口から五月ころまで食べられる。掘りたてをきれいに洗って皮ごとうで(ゆで)、からしの粉を練ったものと醤油をつけて食べる。とうがらしの粉と醤油で食べることもある。
夜なべに、あられ、せんべいなどを炒っておき、翌日のおやつにする。

写真:春の夕食
膳内:〔上左から〕ふきとたけのこの煮つけ、切干し大根と里芋の煮つけ、〔中〕こうこ、〔下〕麦飯、とうがらし醤油(うでいものつけ汁)/膳外:うでいも

 

出典:星永俊 他編. 日本の食生活全集 23巻『聞き書 愛知の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.133-134

関連書籍詳細

日本の食生活全集23『聞き書 愛知の食事』

星永俊 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540890031
発行日:1989/8
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

海、山、川、田畑の幸豊かな愛知、味噌のルーツ豆味噌を生かす味噌料理の数々。尾張藩時代からの伝統ある食べものと、江戸、上方の味覚がおりなす多彩な食。
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