聞き書 愛知の食事 尾張(稲沢)の食より
■晩―麦飯、切干し大根の煮つけ、ふきとたけのこの煮つけ、うでいも、こうこ
夜は切干し大根と里芋、あるいはふきとたけのこなどにあぶらげを入れて煮つけにする。ふきやたけのこは屋敷まわりに生えているので、新鮮な春の味が楽しめる。里芋は秋口から五月ころまで食べられる。掘りたてをきれいに洗って皮ごとうで(ゆで)、からしの粉を練ったものと醤油をつけて食べる。とうがらしの粉と醤油で食べることもある。
夜なべに、あられ、せんべいなどを炒っておき、翌日のおやつにする。
写真:春の夕食
膳内:〔上左から〕ふきとたけのこの煮つけ、切干し大根と里芋の煮つけ、〔中〕こうこ、〔下〕麦飯、とうがらし醤油(うでいものつけ汁)/膳外:うでいも
出典:星永俊 他編. 日本の食生活全集 23巻『聞き書 愛知の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.133-134