山菜で楽しむ春の味―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2022年05月20日

聞き書 富山食事 五箇山の食より

こびれ(小昼)―きな粉おにぎりまたはぼたもち、漬物
春は畑づくりで奥山まで出かけたり、養蚕の桑入れ作業をするための桑こき(桑摘み)に、一日がすぎてしまう。
朝早くから出かける場合はおなかが減るので、こびれを持っていくこともある。
こびれはおもにおにぎりである。ごはんに塩を混ぜ、大きめのおにぎりとし、きな粉をつけて桶に入れたり、ほお葉に包んだりする。赤かぶ漬や大根漬を添える。家にいるばあばが準備し、お茶と一緒に子どもたちが畑まで持っていく。
桑畑を耕すには人手がいるので人頼みとなる場合もあり、そんなときはきな粉や小豆をつけたぼたもちを持っていくこともある。こびれを食べるのは忙しいときだけで、毎日ではない。

写真:春の畑づくりのこびれ
きな粉おにぎりと大根漬をほお葉に包んで。

 

出典:堀田良 他編. 日本の食生活全集 16巻『聞き書 富山の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.76-78

関連書籍詳細

日本の食生活全集16『聞き書 富山の食事』

堀田良 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540890048
発行日:1989/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 376頁

蜃気楼があらわれ、ほたるいかが群遊する富山湾は地元の人たちの魚溜め。立山から発する水が開いた平野は富山の人たちの米びつ。生きのいい魚と米と水がつくる富山の食。
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