てんぷら

連載日本の食生活全集

2022年05月26日

聞き書 埼玉食事 大里・児玉の食より


野菜を主体とした精進揚げである。農家にとってのごちそうで、農繁期や養蚕期の一区切りのときとか、人寄せのあるときくらいしかつくらない。
盆にはてんぷらは欠かせない料理で、なすをはじめ、いんげん、かぼちゃ、みょうがなどの夏野菜をいろいろにとり合わせる。早掘りのさつまいもも出るので使うが、まだ仏さまにあげるていどにしか掘らない。たいていの農家が、まだたまねぎはつくっていないが、買えばある。たまねぎをてんぷらにして出すとみんなが珍しがる。
桜えびを買ったときは、ねぎと一緒にかき揚げにして出すと喜ばれる。また、ごぼうやにんじんのある時期には、ごぼうとにんじんのかき揚げもつくる。

写真:夏野菜のてんぷら

 

出典:深井隆一 他編. 日本の食生活全集 11巻『聞き書 埼玉の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.97-97

関連書籍詳細

日本の食生活全集11『聞き書 埼玉の食事』

深井隆一 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540910050
発行日:1992/2
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

「あさまんじゅうに昼うどん」は物日におけるきまりもの。小麦、さつまいも、狭山茶、深谷ねぎ、岡部の大根など自慢の作物もいっぱい。街道のうまいもの、鋳物工場の給食まで収録。
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