聞き書 宮城の食事 仙北・大崎耕土の食より
■昼―おもしごはん、塩くじら、梅干し、らっきょう漬、一升びんに水
田の草取りの弁当は、ひつこに詰めたおもしごはんの水かけ飯である。塩くじらの焼いた切身も塩をふいている。いわしくじらは高価なので、まっこうくじらをよく食べる。梅干し、らっきょう漬は、水かけ飯にはよく合う。
蒸し暑い夏の田の草取りは、はうようにしての作業で、稲の葉が顔をさすし、汗は吹き出すし、なかなかにつらい仕事だが、さっぱりとしたおもしごはんの水かけ飯は、そんななかでの楽しみである。
写真:夏の昼の弁当
ひつこに詰めたおもしごはん、塩くじらとらきょう漬に梅干し。ごはんに一升びんの水をかけて食べると、こたえられないうまさである。
出典:竹内利美 他編. 日本の食生活全集 4巻『聞き書 宮城の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.29-30