聞き書 静岡の食事 中遠水田地帯の食より
六月二十五日までには田植えを終わる。「さなぶり」には農具を洗って焼き米と塩を大黒さまとえびすさまに供える。そしてその日は農休みの日として、油揚げ、こんにゃく、焼き豆腐などを煮しめにして食べることにしている。こんにゃくの白あえは、さなぶりに欠かせない。
写真:さなぶりの供えもの
大黒さまとえびすさまの左右に苗を置き、焼き米、塩、煮しめを供える。焼き米は、苗代に播いた残りの籾を炒ったものである。
出典:大石貞男 他編. 日本の食生活全集 22巻『聞き書 静岡の食事』. 農山漁村文化協会, 1986, p.206-207