聞き書 神奈川の食事 小田原(片浦)海岸の食より
■夕ごはん―そうめん、あじのだんごの煮もの、やっこ豆腐
夏の夕飯はそうめんのことが多い。干ものにするには小さすぎる「じんだご」と呼ばれる小あじは、頭をとり骨ごとたたいて、くさみをとるためしょうがや味噌を少々入れ、だんごにしてゆでる。それを、たたいたじんだごをつみじゃがいもやいんげんなどと甘からく煮つける。また、かぼちゃやなす、えんどうなどの夏野菜の汁に、たたいたじんだごをつみ入れ、醤油で味つけしてつみぎり汁として食べたりする。
夕方豆腐屋が通りかかると、たまにはお舅さんの分だけ豆腐を買い、やっこで食べるようにお膳につける。
写真:夏の夕ごはん
上:あじのだんごの煮もの、やっこ豆腐/中:たくあん/下:そうめん、薬味(ねぎ)、つゆ
出典:遠藤登 他編. 日本の食生活全集 14巻『聞き書 神奈川の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.260-261