聞き書 奈良の食事 十津川郷の食より
田植えのあとのさなぶりと、秋の畑打ちの夕飯に必ずつくる五目飯である。さなぶりのときは、高野豆腐、ぜんまい、たけのこ、ふき、えんどう豆を必ず入れる。秋は高野豆腐、大根、二度なり(菜豆ともいう。いんげん)、干ししいたけやこんにゃくを入れる。具を小さくきざんで、醤油味で炊いて白いごはんに混ぜる。
写真:えんどう豆を入れた初夏の混ぜこみ
出典:藤本幸平 他編. 日本の食生活全集 29巻『聞き書 奈良の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.277-277