脂ののったさんまの塩焼きに、しじみのおみおつけ―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2022年09月07日

聞き書 神奈川の食事 川崎近郊農村の食より

夕飯―麦飯、しじみのおみおつけ、さんまの塩焼きに大根おろし、紅しょうが、らっきょう漬
生のさんまが手に入ると、七輪に炭火をおこし、塩焼きにする。脂がよくのっているので煙がひどい。用水からとったしじみはおみおつけにする。
五目も家中の好物なので、秋に限らずよくつくる。紅しょうがをふりかけると美しく、おかわりしてよく食べる。そういう晩は、ねぎのおつゆ、漬物を添える。五目に、どじょうの卵とじやこまつなのごまよごしをつけることもあり、いっそうごちそうの感じがする。
秋もおそくなると、にんじん、里芋、聖護院、ごぼうなどの根もの野菜を掘りとり、庭先に埋けておき、冬にかけて手をかけたおかずにして食べる。

写真:秋の夕飯
上:さんまの塩焼きと大根おろし、紅しょうが/中:らっきょう漬/下:麦飯、しじみ汁

 

出典:遠藤登 他編. 日本の食生活全集 14巻『聞き書 神奈川の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.74-75

 

関連書籍詳細

日本の食生活全集14『聞き書 神奈川の食事』

遠藤登 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540920028
発行日:1992/7
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5判上製 384頁

和洋中が勢揃いの横浜のハイカラ料理、古都鎌倉の伝統食から、相模野の恵み、山・川・海の幸を集めた県内各地の素朴な郷土料理まで、地元のお年寄りからの聞き書きをもとに再現。写真つきで記録。
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