秋祭りは魚、ほんこさまは精進料理で―晴れ食・行事食

連載日本の食生活全集

2022年10月06日

聞き書 福井の食事 福井平野の食より

秋祭り
春日神社、白山神社などの村祭りは、九月の六日か七日ごろにする。秋祭りが終わると稲刈りがはじまる。秋祭りにはお客を招き、ますずし、小豆あんときな粉のおはぎ、赤飯、紅白のあんもち、棒巻き、赤ずいきのすこ(酢のもの)などのごちそうをする。かれい、さんま、さばなどの魚も、焼いたり刺身にしたりしてつける。
ますずしは、すし飯をあかめがしわの葉で包み、塩ますをのせて押す。日もちもするので、娘にみやげにもたせる。ますずしのかわりに、五目ずしをするところも多い。

写真:秋祭りのごちそう
〔上左から時計回りに〕ますずし、銚子、小豆あんときな粉のおはぎ、赤ずいきのすこ、棒巻き、もち、赤飯

 

出典:小林一男 他編. 日本の食生活全集 18巻『聞き書 福井の食事』. 農山漁村文化協会, 1987, p.32-33

 

関連書籍詳細

日本の食生活全集18『聞き書 福井の食事』

小林一男 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540870187
発行日:1987/6
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5判上製 384頁

木の芽峠を境に嶺南と嶺北に分かれる福井県は越前と若狭の二国から成る。報恩講を開いては食を共にして絆を深めあう越前、海の幸と山の幸がともに食膳にのぼる若狭の国。
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