聞き書 福井の食事 福井平野の食より
■秋祭り
春日神社、白山神社などの村祭りは、九月の六日か七日ごろにする。秋祭りが終わると稲刈りがはじまる。秋祭りにはお客を招き、ますずし、小豆あんときな粉のおはぎ、赤飯、紅白のあんもち、棒巻き、赤ずいきのすこ(酢のもの)などのごちそうをする。かれい、さんま、さばなどの魚も、焼いたり刺身にしたりしてつける。
ますずしは、すし飯をあかめがしわの葉で包み、塩ますをのせて押す。日もちもするので、娘にみやげにもたせる。ますずしのかわりに、五目ずしをするところも多い。
写真:秋祭りのごちそう
〔上左から時計回りに〕ますずし、銚子、小豆あんときな粉のおはぎ、赤ずいきのすこ、棒巻き、もち、赤飯
出典:小林一男 他編. 日本の食生活全集 18巻『聞き書 福井の食事』. 農山漁村文化協会, 1987, p.32-33